
現代のビジネスにおいて、動画活用は顧客との重要なコミュニケーション手段です。しかしながら動画と一言でいっても、その種類は多岐にわたります。
やみくもに動画を作っても、目的やターゲットに合わないジャンルを選んでしまうと、動画にかけたコストと労力が無駄になってしまう可能性すらあります。
「企業や製品・サービスを知ってもらうにはどのような動画が良いのかわからない」
「自社の目的に合った動画のジャンルが知りたい」
などこのような悩みを抱えている企業担当者にはおすすめの内容となっています。
本記事では、マーケティングで活用できる主要な動画ジャンルを一覧でご紹介します。具体的なジャンルの紹介やその目的、選び方、実写やアニメーションといった表現方法の使い分けなど独自の視点で、動画ジャンルをまとめました。
この記事を読めば、制作すべき動画の方向性が明確になり、効果的な動画マーケティングの第一歩を踏み出せるはずです。ぜひ参考にしてみてください。
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目次
1.企業動画の主要ジャンル一覧

企業が動画を制作する目的は様々です。まずは「誰に、何を伝え、どうなってほしいのか」という目的を明確にすることが、最適なジャンル選定の出発点となります。
ここでは代表的な14種類の動画ジャンルとその目的をご紹介します。
ブランディング動画
企業の理念や世界観を伝え、視聴者の共感や憧れを醸成します。ストーリー性を重視し、感動的な演出が効果的です。
ブランディング動画は、視聴者の好意形成を目的としているため、直接的な商品購入ではなく、将来の顧客となる潜在層との関係構築を目指します。
【目的】認知拡大フェーズ:まずは知ってもらうための動画
さらに読む:ブランディング動画の重要性
動画広告
テレビやWeb広告で放映される短い動画。インパクトのある映像と音楽で、企業名やサービスを強く印象付けます。見られないことを前提に、映像と音でどれだけ印象に残してもらえるのかが重要となります。
【目的】認知拡大フェーズ:まずは知ってもらうための動画
さらに読む:動画広告はまだまだ拡大する!
商品・サービス紹介動画
機能や特長を分かりやすく解説します。実際に使用しているシーンを見せることで、利用イメージを具体的に伝えられます。無形商材や複雑なサービスなどの場合は、アニメーションで分かりやすく解説することも可能です。
また、比較検討時には製品デモ動画を作成し、機能や使い方を具体的に紹介する動画もあります。
【目的】
認知拡大フェーズ:まずは知ってもらうための動画
比較検討・商談フェーズ:導入を後押しする動画
会社紹介動画
主に営業先でのプレゼンテーションやWebサイト、採用活動の中での会社概要説明に使用します。会社の成り立ちや事業内容、強みを短時間で効率的に伝えることができるのが特徴です。
【目的】リード獲得フェーズ:見込み客との接点を作る動画
プロモーション動画
キャンペーンや新商品の発売に合わせて制作し、限定感やお得感をアピールして購入意欲を刺激します。視聴者に具体的なアクションを促し、直接的な売上に繋げるためのジャンルです。
【目的】
リード獲得フェーズ:見込み客との接点を作る動画
比較検討・商談フェーズ:導入を後押しする動画
ノウハウ・ナレッジ動画(お役立ち情報)
ターゲットが抱える課題に役立つ情報を提供することで、業界の専門家として認知されるとともに、リード獲得にも繋がっていきます。また、知識や技術を動画に収めて、社内で共有することで、育成や教育に使うことができます。
【目的】
リード獲得フェーズ:見込み客との接点を作る動画
人材採用・社内文化醸成向け
ウェビナー動画
開催したセミナーを録画・編集し、オンデマンドで配信します。有益な情報を提供することで、質の高い見込み顧客(リード)を獲得できます。
また、後日、配信したセミナーを編集してアーカイブ化することで継続的に活用できます。
【目的】リード獲得・育成フェーズ:見込み客との接点を作る動画
お客様の声動画
実際にサービスを導入した企業の担当者に登場してもらい、導入の背景や効果を語ってもらいます。第三者の評価は、自社の信頼性を高くし、共感を呼びやすくなります。
【目的】比較検討・商談フェーズ:導入を後押しする動画
営業資料解説動画
営業担当者が口頭で説明している内容を動画化し、セールスする前後に見せることで、顧客が社内共有しやすくなります。
【目的】商談フェーズ:導入を後押しする動画
Q&A(FAQ)動画
カスタマーサポートに頻繁に寄せられる質問への回答を動画化し、自己解決を促す動画です。
既存顧客に対して、サービスの活用を促進し、満足度を高め、継続利用やアップセル・クロスセルにつなげます。
【目的】顧客満足度向上フェーズ:LTVを最大化する動画
マニュアル・ハウツー動画(使い方動画)
商品およびサービスの具体的な利用方法について、順を追って説明します。スムーズな利用開始を支援することは、顧客満足度の向上にも繋がります。
【目的】顧客満足度向上フェーズ:LTVを最大化する動画
採用動画
会社の雰囲気、事業内容、先輩社員の働き方などを紹介し、求職者が「この会社で働きたい」と感じるような魅力を伝えます。
採用動画には、会社紹介動画のほか、TOP・社員インタビューや社員の1日を追った動画などもあります。
【目的】人材採用・社内文化醸成向け
さらに読む:採用動画でミスマッチを減らす!
イベント・研修動画
社内イベントの様子を撮影し共有することで一体感を醸成したり、研修内容を動画化して教育の効率化を図ったりします。
また、社員のモチベーション向上が期待でき、インナーブランディングとして活用されています。
【目的】人材採用・社内文化醸成向け
さらに読む:研修動画は導入すべき?
IR・広報動画
株主や投資家などのステークホルダーに向けて、企業の経営方針や財務状況、事業内容などを分かりやすく伝えるための動画です。企業価値を正しく伝え、より多くの投資家に関心を持ってもらうための重要な広報ツールです。
【目的】株主や投資家などのステークホルダー向け
2.動画ジャンルの選定方法

これまで主な14種類の動画ジャンルを紹介しましたが、いざ動画制作を検討する中で、どのジャンルを選ぶべきか、ジャンルを選ぶときの具体的な考え方がわからない。とお悩みの方も多いはずです。
ここでは、購買行動モデル(マーケティングファネル)と目的・目標を掛け合わせることで、今作るべき動画を明確にしました。この表を見ることで、自社がどの動画ジャンルが必要なのかがひと目でわかるようになっています。ぜひ活用ください。
認知拡大 | リード獲得・育成 | 比較検討・商談時 | 顧客満足度向上 | |
---|---|---|---|---|
ブランディング | ◎ブランディング動画 | △ | △ | △ |
情報提供 | ◎動画広告 ◎商品・サービス紹介動画 | ◎ノウハウ・ナレッジ動画 ◯動画広告 ◯会社紹介動画 〇ウェビナー動画 〇プロモーション動画 | ◎製品デモ動画 ◯商品・サービス紹介動画 〇プロモーション動画 | ◎マニュアル・ハウツー動画 |
信頼性向上 | △ | ◎導入事例動画 | ◎お客様の声動画 | 〇IR・広報動画 |
効率化 | △ | △ | ◯営業資料解説動画 | ◎Q&A動画 |
採用動画 | ・ブランディング動画 ・動画広告 ・企業説明会用動画 | ・会社・事業紹介動画 ・TOPインタビュー ・社員インタビュー動画 | ・オフィス紹介動画 ・選考時や内定後のフォロー動画 | ・新入社員のSNS動画 |
3.動画コンテンツの活用方法

動画ジャンルや選定方法をご紹介しましたが、目的やターゲットごとに、すべての動画ジャンルを作成することは、予算や運用を考えると、ほぼ不可能と言えるでしょう。
そこで、ひとつの動画で様々な媒体や用途に展開できる、コストパフォーマンスに優れた活用術をご紹介します。
採用動画の多角的展開
採用コンセプトを伝えるために作られた動画である、採用コンセプトムービー(3〜5分)の場合を考えてみます。
例えば、コンセプトムービーを個別の短尺動画としてSNSや採用サイトで公開したり、Web広告用の動画素材として15〜30秒ぐらいに再編集して広告として活用します。
また、会社説明会でのオープニングに流し、学生の興味を一気に引きつけるような使い方もできるなど多様な展開が可能です。
このように、採用動画を計画している初期段階から、複数の媒体や目的に使うことを視野に入れて、企画・撮影を行うことで、動画活用の効果を何倍にも高めることができます。
ウェビナー動画の二次活用
新型コロナ以降急速に広まったウェビナー。近年ではWebマーケティングには欠かせない施策となってきています。
ウェビナー動画は1時間を超えるものも多く見られるため、多くの展開が可能です。
例えば、フル動画からテーマ別に切り出して、短尺動画にした後、YouTubeチャンネルのコンテンツとして公開したり、ウェビナーの内容を記事化し、ブログ記事やホワイトペーパーを作成し、SEOコンテンツやダウンロード資料として活用するなどが考えられます。
また、ウェビナーの内容は、専門的な知識や情報を得るための学習の意味としても重要なため、ポッドキャストコンテンツとして配信するのも一つの方法と言えるでしょう。
4.差がつく!表現方法の選び方

動画のジャンルが決まったら、次は、動画の表現方法を決めていきましょう。
伝えたい内容やブランドイメージによって、最適な「表現方法」は異なってきます。ここで紹介する代表的な3つの手法の特徴を理解し、戦略的に使い分けましょう。
ただし、最適な表現方法を選ぶには、「伝えたい情報の性質」「ターゲットに与えたい印象」「予算と納期」の3つの軸で検討することが重要です。
実写動画
実在の人物、場所、商品を撮影する実写動画は、リアリティと信頼性が最大の強みです。
・向いている動画ジャンル
お客様の声・導入事例、社員インタビュー、会社紹介など、「人」の想いや「リアルな現場」を伝えたい場合。
・メリット
視聴者が自分事として捉えやすく、共感を呼びやすい。信頼性が重要なBtoB商材や、企業の誠実さを伝えたい場合に特に有効。
・デメリット
撮影場所やキャストの手配が必要。天候に左右される可能性や、修正が難しい場合がある。
さらに読む:実写動画を撮影するメリット
アニメーション
イラストや図形を動かして表現するアニメーションは、複雑な情報の可視化に優れています。
・向いている動画ジャンル
ITサービスや金融商品、アプリの操作説明動画など、目に見えない無形商材や難解な仕組みを解説する場合。
・メリット
専門用語や難しい概念を、親しみやすいキャラクターやインフォグラフィックで直感的に伝えることができる。実写では表現が難しい内容も自由に表現可能。
・デメリット
制作には専門スキルが必要。表現のテイストによっては、安っぽく見えたり、逆に制作コストが高額になったりする。
さらに読む:【事例付き】10種類のアニメーション動画を解説!
3DCG
三次元空間にオブジェクトを作成し、リアルな質感や動きを再現する3DCGは、高品質なビジュアルとインパクトを生み出します。
・向いている動画ジャンル
自動車や建築物のシミュレーション、医療機器の内部構造、ゲームの世界観を表現するコンセプトムービーなど。
・メリット
実写では撮影不可能なアングルや、現実には存在しないものをリアルに表現できる。未来的なブランドイメージや、製品の高級感を演出するのに最適。
・デメリット
制作コストが最も高額になる傾向があり、専門的な技術と長い制作期間が必要。
まとめ:自社に必要な動画ジャンルを選び、最大限の効果を生む動画マーケティングを
ここまで動画ジャンルとその選び方、表現方法について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。最適な動画ジャンルが決められずに悩んでいる方は参考にしてみてください。
企業にとって今必要な動画ジャンルを見極めるには、まずは目的を明確にすることです。具体的には、ターゲット層が現在どのフェーズにいるのか、またどのターゲット層を強化すべきなのか、といった点を掘り下げていきましょう。
そのうえで、盛り込みたい内容や表現方法を具体的に決定することが重要となります。
このようなアプローチで動画制作に取り組めれば、狙ったターゲットに見てもらえるような効果の高い動画施策となるでしょう。
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