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動画制作の流れを動画ディレクターが解説!短納期を実現する方法も紹介!

10の工程を理解してスムーズに進行しよう!

自社でプロモーション動画を作るにあたって手順を知りたい
制作会社へ発注する前に流れを知って、スムーズに進行したい
など困っている方も多いはず。

近年は、様々な動画制作アプリなどが誕生し動画は誰でも作れるようになっているため、ある程度は動画制作の流れを理解している人が増えてきています。
しかし、質の高い動画で視聴者になにかしらのアクションを促す動画はハードルが高く、きめ細かな戦略と専門性が求められます。

この記事では、動画制作会社がどのような流れで動画を制作しているのか、動画制作を日々行っている動画ディレクターがわかりやすく解説します。
動画を発注する際にスムーズに進めたい、自社でも質の高い動画を作成したいと考えているのであれば、この記事を参考にしてください。さらに費用を抑えたい、短納期で動画を作りたいなどを解決するためのヒントも紹介しています。

納品までのスケジュールがわかる!各工程を細かく分解!
 

1 .動画制作の流れ早わかり表

効果の高い動画を作成するためには、数々の工程が必要になります。
ここではひと目で分かるように全体の工程と目安となるスケジュールを表にしました。この表はあくまでも目安となり、予算や規模によって変わってきます。

発注から納品までのスケジュール(一例)

採用動画や会社案内動画のスケジュール例

新卒者用の採用動画や求職者も視聴する会社案内動画は、就職活動時期前に公開させておくことがベストです。社員インタビューなど撮影内容が多岐にわたることや、インターンシップを取り入れている企業も昨今は多いため、早めの準備が必要です。

採用動画や会社案内動画のスケジュール例

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観光PR動画のスケジュール例

観光PR動画は、キャンペーンやイベント毎に期間限定の動画や、通年で使うイメージ動画など公開時期が目的によって変わってきます。例えば、旅行需要が高まる夏休み時期など長期休暇のタイミングを狙って動画を公開する場合もあります。動画の目的や内容によって逆算して発注するようにしましょう。

観光PR動画のスケジュール例

観光プロモーション動画に関しての詳細はこちらから

商品・製品紹介動画のスケジュール例

商品の発売時期やリニューアルした製品の告知、使い方動画など様々な用途があります。必要に応じて動画を公開することが多いため、発売日などから逆算してスケジュールを組みます。しかし商品は発売日ギリギリまでの完成しない場合もあるため、そこも考慮に入れながら撮影時期などを組む必要があります。また、発売前にティザー広告として動画を使用する場合もあります。

商品・製品紹介動画のスケジュール例

商品・サービス紹介動画に関しての詳細はこちらから

2.動画制作の流れと各工程のポイント

動画制作の流れと各工程のポイント
 

一般的に動画を制作するには、10の工程があります。各工程ごとの内容とポイントなどを具体的に見ていきます。規模や金額によって変わっては来ますが、紹介している10の工程は、動画制作をするうえで基本の流れですので理解しておきましょう。

アニメーション動画作成においても工程はほぼ変わりません。④ロケハン・キャスティングと⑤撮影の工程が「イラストの作成」の工程となります。

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①ヒアリング・見積もり

他のクリエイティブ同様、動画制作も打ち合わせ・ヒアリングから始まります。目的やターゲット、達成したい目標、伝えたいメッセージなど、クリエイティブに必要な要素を丁寧にヒアリングします。また動画制作における予算がある場合はこのヒアリング時にしっかりと伝えておきましょう。ヒアリングをもとに制作会社で見積もりを作成します。

[主なヒアリング項目]

・動画制作の目的
ゴールをどこに設定しているのかなど、なるべく具体的な数値や目標。
例えば・・・求職者への認知拡大/商品やサービスの販売数アップ/企業ブランドのイメージアップなど

・ターゲット
年代や性別、エリアなど動画を視聴してもらいたい顧客層。また配信媒体(用途)によってもターゲットは変化します。
例えば・・・◯◯を見ている〇〇好きな層/ティザー広告を見た人へのクロージングなど

・イメージ
事前に希望する動画のテンションや構成案がある場合。視聴してもらいたいターゲットによって大きく変わってきますが、動画共有サイトやYouTubeでも探すことができます。
例えば・・・ドラマ仕立ての動画/映像やグラフィックに動きがあるような動画など

・用途
作成した動画をどのような場所でどのように使用するかなど。ヒアリング時には決まっていなくても作成は可能ですが、配信媒体によって適切な動画の長さやテンションなども変わってきます。
例えば・・・コーポレートサイト内/自社YouTubeチャンネル+WEB広告用など

・予算
予算が決まっている場合はその範囲でできる動画内容や表現方法など動画の方向性が決まってきます。予算が決まっていない場合は、希望する動画の内容をヒアリングして、それをもとに見積書を作ってもらいましょう。

・納品・公開日
納品やアップロードをいつまでにしてほしいかを正確に伝えましょう。納品日や公開日から逆算してスケジュールを組んでもらうために必要になります。ヒアリング時に決定していなくても制作は開始できますが、工程が増えたり、無駄な工数がかかってしまう可能性があるので注意が必要です。

②企画立案

何を誰にどのように伝えるのかという打ち合わせでヒアリングした内容を具体的にしていくのが企画立案です。クリエイティブチームでブレストしたアイデアを絞り込んで動画の方向性を決めていきます。効果の高い動画を作成するためには、この工程が非常に重要になります。

一般的な作業工程

ブレスト
プロデューサー、ディレクター、映像編集、カメラマン、営業などが集まりクリエイティブチームを結成。ヒアリングした内容をもとに動画制作のアイデア(ストーリーの方向性やテンション、キャスト、セリフなど)を思いつくままざっくばらんに発言していきます。クライアントも参加する場合があります。

・アイデアの絞り込み
ブレストで出たアイデアの絞り込みを行っていきます。予算と実現できる範囲を鑑みながら、アイデアを企画に落とし込んでいきます。

③シナリオ・絵コンテ

企画にOKが出たら、シナリオやコンテを作成していきます。シーンの説明やセリフ・ナレーションを目に見える形で具体的に形にしていきます。後でイメージが違ったなどのトラブルが起きないようにしっかりと議論を重ね、完成度を高めていきましょう。撮影がある場合は、この工程である程度のロケーション地の選定や香盤表なども作成していきます。

一般的な内容

絵コンテ
動画制作のための設計図となります。この絵コンテの内容に沿って撮影や動画制作をしていくため、絵(イラストまたは写真)、内容(役者や映像の動きや背景など)、セリフやナレーション、動画の長さ、効果音などの詳細を落とし込んだ重要な指示書となります。

ロケーション
企画立案や絵コンテで具体的なロケーション地などを決定させます。社内または屋外での撮影、スタジオ利用などがあります。どのロケ地でも確認や下見は必要になります。

香盤表
撮影に関するスケジュール表になります。キャストの動きや撮影時間、出演順番、移動時間をはじめ、衣装や小道具などの情報も詳細に記載されており、撮影を円滑にすすめる上で必要不可欠な資料です。

④ロケハン・キャスティング

制作会社とクライアント双方で絵コンテの内容が固まったら、次はロケハンを行います。費用や時間はかかりますが、撮影本番をスムーズに行うためには必要な工程となります。またキャスティングは、プロのモデルや役者、自社内のスタッフの手配を撮影日まで間に合うように行います。

一般的な内容

・ロケハン
絵コンテが完全に固まったら、撮影する場所の確認をします。ロケハンとはlocation hunting(ロケーション・ハンティング)と呼ばれ、撮影場所を下見して、撮影場所の確保や撮影許可、カメラアングルや光の確認を行います。スタジオ利用や自社での撮影の場合でもロケハンは必要となります。

キャスティング
企画立案や絵コンテで具体的になったシーンに出演者が必要であれば手配をします。出演者が自社内のスタッフであれば、スケジュールを調整し撮影日時を抑えておきましょう。自社内のスタッフを使えない場合は、プロのモデルや役者を出演させます。その場合は撮影前までにオーディションなどを行う必要があります。

⑤撮影

絵コンテをもとに実際の撮影に入っていきます。その際、細かい撮影手順や順番などは香盤表を見ながらディレクターが指示を行い、カメラマンが撮影していきます。基本的には取り直しができないため、カメラや出演者の動きなどをテスト撮影してから本番にのぞみます。

[撮影方法(一例)]

・インタビュー撮影
基本的には自然な流れの中で会話を撮影していきますので、どうしてもこれだけは言ってもらいたい言葉や用語などは別撮りする必要があります。そのため、事前に会話の受け答えを想定しながら素材を撮っておくことが必要です。

・ドローン撮影
空撮した映像は、地上からの映像と組み合わせることにより、完成した作品の見栄えやイメージ、インパクトが大きく向上します。ただ地上撮影と空撮はそれぞれ違う機材やスタッフの手配が必要なため別途時間や費用がかかります。

⑥編集

撮影が終わったら、いよいよ編集作業に入ります。撮影した素材をはじめ、スチール素材、ロゴやナレーション音声など動画に必要な素材一式を準備したのち、最初にすり合わせたイメージや構成どおりに動画を作り上げていきます。編集内容によってイメージが全く変わってしまうことがあるので、一番重要な工程といっても過言ではありません。

[一般的な作業工程(一例)]

テロップ
動画で内容を分かりやすく伝えるために、画面上に映し出された文字情報のことをテロップといいます。動画内容を補完したり、強調したい内容をテロップとして挿入します。また用途によりナレーションの内容をすべてテロップで入れることもあります。

・エフェクト
特殊な効果を動画に追加することをエフェクトといいます。シーンごとのつなぎ目を効果的に見せたり、写真や文字に動きをつける手法など多岐にわたります。

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⑦MAスタジオでの音入れ

最後に動画にナレーションやBGM、SE(効果音)を入れる音入れ(MA)の作業を行って完成となります。専用の録音スタジオで行う場合は、制作会社とクライアントの両者が立ち会ってその場で動画を完成させていきますが費用も高額になってしまいます。ほとんどの場合はスタジオを借りずに、編集のタイミングで音入れを行っていきます。

[一般的な作業工程(一例)]

・BGM/SE
編集済みの動画に音を入れていきます。フリー素材のBGM使用が一般的ですが、オリジナルで作成もできます。また専用のスタジオで録音する場合もあります。

・ナレーション
ナレーション素材は自分の声や合成音声を利用するなど様々な手法がありますが、動画において音は非常に重要な要素になりますので、可能な限りプロのナレーターに依頼しましょう。

⑧試写

編集した動画をクライアント側でチェックすることを試写といいます。動画のストーリーやテロップなどイメージどおりか確認をします。何度も修正のやり取りが発生する場合は、納品日が遅くなったり、費用も追加でかかる場合がありますので、何度もやり取りしないようにしっかり確認をすることをおすすめします。

MAスタジオで録音しない場合

試写のタイミング では、BGMやSE(サウンドエフェクト)はイメージに近いものを入れたり、ナレーションも仮ナレと呼ばれる合成音声や自分の声で吹き込んだデータなどで音を確認します。

⑨納品

MAや試写の工程が終わったら、動画・映像の出来上がりとなり納品の作業となります。オリエン時に決めた納品フォーマットに変換して完了となります。納品するデータ形式により、フォーマットやエンコーディングレート、コーデック(圧縮する技術)なども違ってきますので、制作会社に事前に用途などをしっかり伝えることが重要となります。

[代表的なファイル形式]

・MP4
Windows/MacなどのOSを問わず対応しているファイル形式。圧縮率が高く、データサイズが小さいながらも高画質で、あらゆる動画の納品形式で採用されています。

・AVI
マイクロソフト社が開発したファイル形式で、ほとんどのコーデックが使用可能であったり、様々な環境とも互換性があるため汎用性が高いです。

WMV
マイクロソフト社が開発したWindows標準のファイル形式。DRMというコピーガード機能がついているため、インターネット動画配信サービスで広く使われています。ただしアップル社の一般的なプレーヤーでは再生できません。

・MOV
アップル社で開発されたMacでの標準的なファイル形式。Macとの相性がよく、Windowsでの再生にはQuickTime Playerが必要です。

MPEG-2
DVDの記録形式として利用されているMPEG2-PSとブルーレイや地上波放送などで使用されているMPEG2-TSの2種類のコンテナがあります。

WebM
Googleが開発している動画フォーマット。HTML5コードで使用するための高品質のビデオ圧縮を提供しているため、ウェブ上での取り扱いが行いやすくなっています。

⑩アフターフォロー

動画は作って終わりではありません。A/Bテストや再編集でクリエイティブの効果検証を行いながら、効果の高い動画を目指しましょう。また、動画は様々な用途に活用できるので、プラットフォームやターゲットにあわせて動画をうまく活用していきましょう。

3.動画を短時間で制作する3つの方法とは?

動画を短時間で制作する3つの方法とは?
 

動画制作はご紹介したような流れで行われるため、納品して欲しい日から逆算して余裕をもったスケジュールで制作会社へ発注しなければなりません。

効果が最大限に発揮される動画を作りたいのであれば、動画制作の流れにそって、きちんと作っていくことが望ましいですが、様々な事情により納期を早めたい場合もあります。その場合は、次に紹介する3つの方法で対応可能です。ヒアリングのときに制作会社へ相談したり、自社のリソースで対応可能かどうか確認してみてください。

撮影をせずに既存の素材などで対応する

撮影の工程は、キャスティングやロケハン、香盤表の作成など様々な段取りがあります。また外での撮影となると天候にも左右されます。そのため、撮影などの予備日を含めると、かなりの日数がかかってしまう場合があります。

既存の素材を使用し、撮影の工程をなくすことで、大幅に納期を短縮できるうえ、制作コストも抑えることができます。

どうしても撮影をしたい場合は、撮影日数を短縮することで費用も納期も抑えることができます。しかし1日に詰め込み過ぎて無理なスケジュールでの撮影は様々な事故のもとですので避けましょう。簡易的なグラフィックや静止画を動画の中に差し込むなど、撮影を少なくすれば、撮影スケジュールは短縮できます。

簡易アニメーション動画にする

上述したとおり、撮影の工程は様々な準備などが必要なため、納期まで日数がかかってしまいます。そのため、撮影を伴う実写動画ではなく、アニメーションを使って表現することで、動画制作期間を短縮することができる場合があります。アニメーションの種類や内容によっては、撮影するより日数がかかったりするので、どのようなアニメーションであれば、制作日数を短縮できるか制作会社へ相談したほうが良いでしょう。

音入れの際スタジオ収録をなくす

本来であれば、編集が終わったら、最後に行う作業として専用の録音スタジオを借りてナレーションやBGM、効果音などの挿入を行います。一般的にはテレビやCMなど金額や規模が大きい場合にMAスタジオで録音します。BGMなどはスタジオ収録が必要ない素材をつかうことでスケジュールを短縮することができます。録音スタジオでの音入れを省くことで制作日数を減らすことができます。その場合ナレーションやBGMなどは試写で確認するようにしましょう。

4 .動画制作の各工程の作業量と費用は密接に関係する

動画制作の各工程の作業量と費用は密接に関係する
 

動画制作にかかる費用は各工程の作業工数によって変わってきます。例えば、撮影に関わる人数や撮影日数、試写の回数などの増減で大幅に費用が変動します。特に、実写の場合は撮影の工程、アニメーションの場合は、イラストやキャラクターの書き起こしの工程に一番工数がかかります。

どうしても費用を抑えたいということであれば、必要に応じて作業工程を見直すことで費用を抑えることができる場合があります。最初のヒアリングや見積もり段階でしっかりと各工程をすり合わせましょう。

【動画制作の費用に関する関連資料】
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まとめ:動画制作の流れを理解することで、余裕を持ったスケジュールで進めることができます

本記事では、一般的な動画制作の流れと各工程のポイント、そして納期を短縮する方法などを解説してまいりました。いかがでしたでしょうか。

動画制作の流れをまとめると、動画制作は、
ヒアリング・見積もり→②企画立案→③シナリオ・絵コンテ→④ロケハン・キャスティング→⑤撮影→⑥編集⑦MAスタジオでの音入れ→⑧試写→⑨納品→⑩アフターフォローの流れで進んで行きます。

余裕のあるスケジュールを確保し、この流れに沿って動画を作ることで、質の高い動画がつくれるようになります。ぜひ参考にしてみてください。

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