
「インタラクティブ動画」という言葉をご存知ですか。最近よく耳にするけれど、具体的にどんな動画なのかは知らない、という方も多いのではないでしょうか。
多くの動画は、テレビをぼんやり眺めるように『受動的』に視聴されています。次から次へとコンテンツが現れる現代において、ただ流れているだけの動画は視聴者の注意を惹きつけにくく、記憶に残らないまま終わってしまうケースが増えています。
そこで今、大きな注目を集めているのが動画体験を促す「インタラクティブ動画」です。
本記事では、自社のサービスを動画で効果的にPRしたいと考えている企業担当者の皆様に向けて、インタラクティブ動画の基礎知識から、企業PRでの活用法、成功事例、そして気になる費用相場までを徹底的に解説します。
この記事を読めば、視聴者を惹きつけ、エンゲージメントを高め、最終的にコンバージョンへと導くための新たな一手が見つかるはずです。
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目次
1.インタラクティブ動画とは?視聴者が触れる「新しい動画体験」

そもそも「インタラクティブ動画とは」何なのでしょうか。
インタラクティブ(interactive)とは「双方向の」という意味を持つ言葉です。つまりインタラクティブ動画とは、視聴者が動画内の要素をクリックしたり、選択肢を選んだり、情報を入力したりすることで、その後のストーリーや表示される情報が変化する「双方向の体験型動画」を指します。
従来の動画がテレビ番組のような「視聴」がメインであるのに対し、インタラクティブ動画はゲームのように「参加」できるのが最大の特徴です。視聴者は単なる受け手ではなく、動画の中の主人公として能動的に関わることができます。この「自分ごと化」させる体験が、視聴者の深い理解と強い興味を引き出す鍵となります。
視聴者の知りたいという欲求に、その場ですぐに答えることができ、望んでいる情報に素早く辿り着けるようになることで、アクション(問い合わせ・資料DL・購入・来店予約など)を最大化させていくことができるのです。
2.インタラクティブ動画の5つの強力なメリット

新しい動画体験であるインタラクティブ動画ですが、多くの企業が注目する理由は、他の動画では得られない強力なメリットがあるからです。
ここでは、代表的な5つのメリットを解説していきます。
圧倒的な視聴者エンゲージメントの向上
インタラクティブ動画は、視聴者に「次はどうなるんだろう?」という好奇心を喚起し、能動的な参加を促します。これにより、視聴完了率や視聴時間が大幅に向上します。
ある調査では、通常の動画に比べてエンゲージメント率が2倍以上になったというデータもあります。視聴者が動画に長く滞在することで、伝えたいメッセージがより深く、確実に届くようになります。
コンバージョン率の改善
動画内にECサイトへのリンクを設置したり、アンケートフォームを埋め込んだり、そのまま商品購入ができる仕組みを導入したりと、視聴者の興味が最高潮に達した瞬間に、次のアクションへシームレスに誘導できます。
これにより、ウェブサイトへの遷移や問い合わせ、資料請求といったコンバージョン率を大幅に高めることが可能です。「動画を見て、検索して、サイトにアクセスして・・・」という手間を省き、機会損失を防ぐことができるのです。
視聴データから読み取る顧客インサイト
「どの選択肢が最も多く選ばれたか」「どの商品が最もクリックされたか」「どの時点で離脱したか」といった視聴者の行動データを詳細に取得・分析できる点も大きなメリットです。
これらのデータは、顧客の興味関心やニーズを正確に把握するための貴重なインサイトとなります。分析結果を次のマーケティング施策や商品開発に活かすことで、より効果的なPDCAサイクルを回すことができます。
長尺でも離脱を抑制
従来の動画は、情報が一方的に流れるため、視聴者はどうしても受け身になりがちです。そのためながら視聴が増え、動画が長いと途中で離脱されやすくなります。
一方、インタラクティブ動画は、視聴者自身がストーリーを選択するなど能動的な参加を促します。これにより、視聴者は動画に集中し、長尺であっても最後まで楽しんで視聴してもらえます。さらに、自ら関わった内容は記憶に残りやすいという効果も期待できます。
さらに読む:最適な動画の長さとは?
動画1本で複数LP(ランディングページ)分の働き
従来のLPでは、1つのページで1つのメッセージを伝えるのが基本でした。そのため、異なるニーズを持つ複数のターゲット層にアプローチするには、それぞれの層に合わせたLPを個別に作成する必要がありました。
インタラクティブ動画では、1本の動画の中に、料金プランを知りたい人向けのシナリオ、具体的な使い方を知りたい人向けのシナリオなど複数のシナリオを用意することができ、一人ひとりの興味関心に最適化された情報が提供できるようになります。
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3.【業界別】インタラクティブ動画の成功事例3選
ここでは、今まで解説したインタラクティブ動画のメリットを実際に体験してみましょう。企業が実施した秀逸なインタラクティブ動画の事例を目的別に3つご紹介します。
ぜひ、自社で活用する際のヒントにしてください。
「採用活動」でのインタラクティブ動画

新入社員が企業の価値観とフィットするのかをインタラクティブ動画で表現。
オフィスを巡りながら、オフィス内で起こる様々なトラブルや道徳的な問題を解決していき、最後まで進んでいくことで、この会社で働く資質があるかどうかを確かめることできます。
この動画はソーシャルメディアでも注目を集め、平均視聴時間は4分を超えました。
「啓発・啓蒙」でのインタラクティブ動画

こちらは東京都が、日常備蓄の大切さを若い世代に知ってもらうために作成されたインタラクティブ動画です。
キャラクターを用いたアニメーションで、クイズに回答しながら楽しく最後まで視聴できるような工夫がされています。
さらに読む:キャラクターアニメーション
「商品プロモーション」でのインタラクティブ動画

商品プロモーション動画もインタラクティブ動画で表現が可能です。
こちらは車の広告ですが、冒険家の物語、そして息を呑むような絶景をクロスオーバーさせた動画で、3つのポイントで情報が表示されるインタラクティブな体験ができます。
4.視聴者から顧客に変わる!体験価値を上げる方法!

ここではインタラクティブ動画が、他の動画と比べてなぜ見てもらえるのかを解説していきます。
ただ、触れられたり、選択できる物珍しさで見られているわけではないのです。戦略的に作ることでインタラクティブ動画をより効果的なマーケティングに活用が可能です。
自分の責任で選べる選択肢
関心別・用途別に自分向けの導線がある体験は特別なものです。様々な視聴者が同じ動画を見ていても、それぞれのステージ(例えば、主婦であったり、会社員であったり、経営者であったり)で知りたい情報が異なったりします。
広告的な受動的な情報の押し付けではなく、自分で舵取りできる感覚が生まれ、視聴者が自分ごととして捉えられるようになります。
負担が低い設計
インタラクティブ動画は、視聴者に能動的な体験を促すため、クリックをしたり、考えさせたりとある程度の身体的や精神的な行動を伴います。
ここで注意すべきことは、その負担を極力少なくすることです。分岐は2〜3択とし、文言も少なくすることで、負担の少ない選択で前進できる設計にするべきです。そうすれば、視聴者の体験価値を最大化することが可能になるでしょう。
納得の根拠がある
視聴者は企業が提示した情報の確信に足る証拠を求める傾向があります。
数字や他社比較、導入後の変化など根拠の提示をインタラクティブ動画で示してあげることで、その場でその時に納得できる根拠を得ることができ、すぐに行動に移してもらいやすくなります。
アクションしやすい設計
インタラクティブ動画を使えば、視聴者は動画を離れることなく、そのまま資料請求や見積依頼ができます。これにより、動画を離脱し、ウェブサイトを探す手間が省け、興味を持った瞬間の『欲しい』という気持ちを逃さず、申し込みに繋げることが可能です。
5.気になる費用相場は?制作会社とツールの料金体系

インタラクティブ動画は通常の動画の作り方と違って特殊な作りであるため、自社のスタッフで内製することは難しいかもしれません。
そのため、「動画制作会社」か「自社で専用ツールを使用」するかで費用が大きく変わってきます。
費用相場 | 内容 | |
---|---|---|
動画制作会社に依頼 | 100万円~ 500万円以上 | 企画、シナリオ作成、撮影、編集、インタラクション設定まで全てを委託できます。クオリティは高くなりますが、その分費用も高額になります。プロジェクトの規模や分岐の複雑さによって費用は大きく変動します。 |
専用ツールを自社に導入 | 月額5万円~20万円程度 | 多くのインタラクティブ動画制作ツールは、月額課金制(SaaS型)で提供されています。既存の動画素材があれば、比較的安価に制作を始めることができます。ただし、シナリオ設計や動画編集のスキルが求められます。 |
さらに読む:動画制作会社の見積書を大公開!
まとめ:顧客コミュニケーションの中核を担うインタラクティブ動画を導入しよう!
本記事では、次世代の動画マーケティング手法として注目される「インタラクティブ動画」について、その概要からメリット、事例、そして費用相場までを網羅的に解説しました。
従来の企業が発信するプロモーション動画や採用動画は一方通行であり、視聴者は能動的に情報を浴びることしかできませんでした。
しかしインタラクティブ動画は、視聴者も主体的に参加できる仕組みであり、能動的な選択で自分が求めている情報が手に入れることができる体験型動画です。
動画内で選択して、進んでいく動画はゲーム感覚に近く、自分ごと化しやすく、高いエンゲージメントとコンバージョン率が実現できる可能性があります。
顧客との対話を促しエンゲージメントを重視するのであれば、企業にとってインタラクティブ動画は必要不可欠なツールです。ぜひ、貴社のプロモーション戦略の新たな一手として、インタラクティブ動画の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
バドインターナショナルでは、インタラクティブ動画をはじめとした、顧客エンゲージメントを高めるための施策を、企業にフィットする形でご提案いたします。「どんな動画が良いのか」「動画で何を伝えればよいのか」などのご相談も可能ですので、ぜひご相談ください。
