
SNSを代表するプラットフォームの一つであるInstagram(インスタグラム)。日々の出来事を写真や動画で投稿したり、お互いにフォローし合ったりと、SNS上での繋がりを楽しむツールとして親しまれています。
日本国内におけるユーザー数はここ数年確実に増え続けており、Meta社の発表によると2019年に3,300万人だったものが、4年間で倍以上になったとのこと。現在では6,600万人以上のユーザーが存在すると考えられます。
つまり日本の人口の半数以上がアカウントを持っている計算で、Instagramというプラットフォームは、広報・宣伝活動を行う上で大きなポテンシャルを持っていると言えるでしょう。
企業として、このInstagramをはじめとしたSNSをマーケティングに取り入れることは、現在では当たり前となっており、顧客との接点を作り出し、コミュニケーションを深めるのはもちろん、ブランド認知度の向上、顧客獲得、売上向上など様々な効果が期待できます。
また、数あるSNSの中で、Instagramの強みは若い世代へのアプローチがしやすいことです。特に20代のユーザーが多いのが特徴で、その利用率は78.8%と、8割近くがInstagramを利用しているのです。
今回はInstagramの中でも最近主流となっている、縦型のショート動画機能「リール」に焦点を当てて解説します。
リール動画の基本から企業が活用する際のメリット、効果的な制作方法、さらには成功事例までを網羅して解説いたしますので、リール動画の導入を検討されている企業の担当者様は、ぜひ参考にしてください。
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目次
1.Instagramのリール動画とは

リール動画とはInstagramの機能の一つで、音楽やテキスト、ARフィルターなどを加えて投稿する短尺動画のことです。TikTokやYouTubeショートと同じく、縦型のショート動画形式で、最大3分(180秒)の動画を投稿できます。
こちらでも解説している通り、縦型の短尺動画はスマホではフルスクリーンで表示されるため、画面を横にしなくても手軽に楽しめるコンテンツとして人気です。
TikTokやYouTubeショートと同様に、視聴者の関心を引きやすい形式として注目されており、発見タブやリールタブ内で表示されます。ユーザーが縦にスワイプして視聴する際に、広告が表示されることもあります。
Instagramには同じような短尺動画の「ストーリーズ」もありますが、両者の機能や特徴には違いがあり、目的に応じて使い分けるのがおススメです。それぞれの詳細については下記をご覧ください。
尺 | 公開範囲 | 表示期間 | 表示場所 | 主な用途 | |
---|---|---|---|---|---|
リール | 最大3分 (180秒) | 全ユーザー (フォロワー以外にも表示される) | 期間なし | リールタブ フィード 発見タブ | 拡散・獲得・新規リーチ |
ストーリーズ | 最大60秒 | フォロワー | 24時間 | ストーリー トレイ | ファンとの 関係強化 |
2.Instagramのリール動画活用のメリット

TikTokやYouTubeショートをはじめとする縦型の短尺動画や、上で説明したInstagramのストーリーズなど、SNSには似たような機能を持つ媒体が数多く存在しています。
それぞれ目的やプラットフォーム利用者の属性に違いがあるので、その特性を活かしながら運用していくことが高い効果を得る近道だと言えるでしょう。
ここでは企業がInstagramのリール動画を導入した際に得られるメリットを5つ紹介します。
リーチの拡大
リール動画はアルゴリズムにより、ユーザーの持つ興味や関心に基づいて表示されるため、投稿したリールの内容に関心がある視聴者に、優先的に表示されやすいのが特徴です。
表示場所も発見タブやおすすめのフィードと、新たな見込み顧客の獲得につながりやすいため、ハッシュタグの活用やクリエイティブにこだわった投稿を心がけることで、フォロワー以外のユーザーにリーチする機会の増加が期待できます。
ブランド認知度の向上
リールには多彩な編集機能が備わっており、エフェクトや音源、テキストなどの追加も簡単です。こういった機能を活かし、企業の独自性やブランドイメージをうまく表現することで、短い時間の中でも視覚的なインパクトを与えられます。商品やサービス、ブランドを強く印象づけられれば、ユーザーの認知度の向上に繋がるでしょう。
商品の訴求力強化
製品やサービスの使用方法やメリットなど、静止画では伝わりにくい内容も、動画で具体的に見せることで、その魅力を効果的にアピールできます。
商品の仕様や使い方の説明などを発信したい場合、どうしても動画の尺が長くなりがちです。そんな時はティザー動画のように情報を小出しにしていき、ユーザーの興味を高めていくことも可能です。
トレンドへの対応
最新のトレンドに上がっているBGMや流行のエフェクトを取り入れることで、トレンドに敏感な層にアプローチし、より親近感のあるブランドイメージを構築できます。
また、トレンドをうまく活用すれば、Instagramのアルゴリズムにより、ユーザーへのおすすめにも表示されやすくなります。
他SNSなどへの二次活用
一度制作したリール動画は、Instagram以外のSNSや自社サイトでの再活用も可能です。複数のプラットフォームで同じ動画を活用すれば、コスト的なメリットがあるだけでなく、統一したブランド展開にも繋がります。
3.リール動画が得意とするジャンル

このように多くのメリットが得られるリール動画ですが、企業としてリール動画を投稿する際、どのような内容が親和性が高く、視聴者の興味を引きやすいのでしょうか。ここでは、リール動画と相性が良いとされる動画のジャンルをご紹介します。
マニュアル・ハウツー動画
短時間で手順を解説できるため、商品の使い方やサービスの利用方法などをわかりやすく伝えるのに適しています。
さらに読む:社内でも利用者向けでも活用できるマニュアル・ハウツー動画
舞台裏・メイキング動画
ブランドの開発の裏側や制作過程を見せることで、ユーザーの親近感が醸成され、ファンの増加にも繋がります。このような動画は「ビハインド動画(BTS:Behind the Scenes)」とも呼ばれています。
商品紹介・レビュー動画
製品やサービスの魅力や特徴を視覚的に訴求し、ユーザーの購買意欲を高めます。「インフルエンサー」を活用して製品レビューを行うとより効果的です。
エンタメ系動画
エンターテイメント系の動画は、視聴者の興味を引きやすく、シェア・拡散されやすいコンテンツです。企業やブランドのユニークな側面を見せるのに役立ちます。
Q&A動画
顧客の疑問に答えたり、役立つ情報を簡潔に提供したりする際に効果的です。
4.リール動画の作り方

リール動画を制作・投稿する方法には様々な方法があります。外部の動画制作会社に依頼する場合もあれば、自社で制作する場合もあるでしょう。自社内で制作する場合は、Instagramアプリ内で手軽に編集できます。
注意しなければならないのは、2025年6月現在、パソコンのブラウザからInstagramを開いても、リール動画を直接編集・投稿できない点です。
基本的にパソコンからは通常のフィードへの投稿しかできないため、動画編集ソフトを使って制作した動画をスマホに一度転送し、改めてスマホから投稿するというプロセスが必要です。
ここではスマホでの制作・投稿の方法について説明していきます。
STEP.1 リールを選択
ホーム画面の下部にある「+」マークのアイコンをタップし、表示されるオプションから「リール」を選択します。またはプロフィール画面右上の「+」をタップし、「リール」を選択してもOKです。
STEP.2 動画の撮影・アップロード
画面左下の写真アイコンをタップして、スマホに保存されている動画を選択します。これから新しく動画を撮影する場合は、「カメラ」をタップして撮影を開始します。
STEP.3 編集
動画を選択・撮影したら、今度は「追加」ボタンをタップして次の画面に進みます。BGMや効果音、テキスト、ARフィルター、エフェクトなどを追加して動画を編集します。この際、Instagram内にある豊富なテンプレートやツールを活用できます。
STEP.4 キャプションの追加
動画の内容を補足するキャプション(説明文)を入力します。キャプションが消えて動画だけ投稿される事例も報告されているため、投稿前には必ず確認するようにしましょう。
STEP.5 公開
すべての作業が完了したら「シェア」をタップ。これでInstagram上にリール動画を投稿できます。
5.Instagramリール動画の活用事例
現在では様々な企業がリール動画を活用し、成功を収めています。例えばアパレルブランドが新作アイテムの着回し動画を投稿したり、飲食店が新メニューの調理過程を紹介したり、美容サロンが施術のビフォーアフターを見せたりといった、それぞれの業界の特性を活かした多様な活用事例が存在しています。
ここでは実際に、企業がどのようにリール動画を活用しているのか見ていきましょう。
自社の基礎化粧品を継続して使った場合の、肌に起こる変化をビフォーアフター動画でわかりやすく見せています。無加工のリアルな映像が、信頼性に繋がります。
美容・コスメを扱うブランドにとって、ビフォーアフター動画はフォーマット的に最も優れたコンテンツと言えるでしょう。
こちらは本屋のプロモーション動画です。短いカットで繋げたスライドショー形式の動画ですが、お店の持つ独自の世界観が表現されており、スタイリッシュな作りが魅力です。
新たな映像を撮影する手間やコストを抑えたいという場合も、このように既存の素材をうまく活用することで、十分に魅力的な動画を制作できます。
短尺動画の特性を活かす方法として最も有効なのは、ティザー動画を公開して、長尺の本編動画への期待感や話題性を作り上げることです。
新しい製品やサービス、コンテンツなどのリリース前に「ちょい見せ」することで、ユーザーの期待感を生み、もっと見たい・知りたい気持ちを引き出せます。
こちらはファッションブランドから、着こなしの提案をリール動画にしたものです。最近はこのような表現がよく見られるようになりました。
自社ブランドの着こなしや着回しのアイデアなどを提案することで、ユーザーが潜在的に感じている「どう着こなそう」「何と合わせよう」といった悩みを解決。結果として商品の購買意欲に繋がります。
こちらは自社で実際に働いている従業員に、インタビューを行っているリール動画です。本人の仕事への思いや人となりを伝えることで、顧客とより良好な信頼関係を築く効果が期待できます。
顧客向けの信頼関係構築のほか、実際に仕事をしているシーンなどを入れれば、採用動画としても活用できるでしょう。
まとめ:Instagramのリール動画で多くのユーザーを巻き込み、効果的なプロモーションを
Instagramのリール動画を活用すれば、複数の場所でおすすめにも表示されやすくなり、今まで自社の商品やサービスなどに興味・関心のなかったユーザーにも、映像での訴求が期待できます。
今の時代、SNSをうまく運用していけば、巨額な広告費を投じなくても、それに匹敵する効果が得られる可能性があるのです。
最近のアルゴリズムでは、「コンテンツのオリジナリティ」「コミュニティとの深い関係構築」がより重要になってきています。具体的に言えば、以下のような特徴を持つコンテンツのことです。
・自社の強みを紹介し、他社との差別化を図るコンテンツ
・ユーザー参加型で、双方向でのコミュニケーションが取れるコンテンツ
特に投稿者とユーザー、またはユーザー同士のコメントを増やし、エンゲージメントを高めているリールは、今後ますます優遇されるでしょう。
Instagramのリール動画をはじめとした短尺の動画は、今後の企業マーケティング活動において、外せない施策の一つとなるはずです。ぜひ本コラムを参考に、リール動画の制作に取り組んでみてはいかがでしょうか。
Instagramのリール動画のほか、YouTubeショートやTikTokなど、短尺の縦型動画の制作はバドインターナショナルにお任せください。企業の目的・目標にあった動画コンテンツを企画・制作いたします。動画コンテンツを活用しての広告運用も承っておりますので、お気軽にご相談ください。
