
現代は人材の流動化が進み、働き方に対する価値観も多様化しています。このような時代において、優秀な人材を確保し長く活躍してもらうことは、企業にとっても大きな課題の一つだと言えるでしょう。
企業が従業員から「選ばれ続ける」存在になるために、欠かせないのが「インナーブランディング」です。しかし「どうやって理念を社員に浸透させるのか」「全社共通の価値観を育むにはどうすれば良いのか」と悩む担当者様も多いのではないでしょうか。
そこで近年注目されているのが「インナーブランディング動画」です。動画を作るメリットは、視聴者の感情に訴える力を持ち、場所や時間を問わず同じ情報を届けられることです。
理念や価値観を社員に共有し、組織力を高める施策として、現在では多くの企業でインナーブランディング動画の導入が進んでいます。
今回は社内向けの動画制作を検討している企業担当者様に向けて、インナーブランディング動画の基礎知識からメリット、動画の種類や費用感まで幅広く紹介します。ぜひ最後までご覧ください。
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目次
1.そもそも「インナーブランディング」とは?

「インナーブランディング(Internal Branding)」とは、企業の理念やビジョン、価値観を従業員に浸透させ、共感してもらうことで組織の内側からブランド価値を高めていく取り組みです。単にスローガンを掲げるだけではなく、社員一人ひとりが自社の存在意義を理解し、自らの業務と結びつけて行動できる状態を目指します。
こうした取り組みは企業文化の形成や、そこで働く従業員のエンゲージメント向上に直結します。社員が「この会社で働けて良かった」「自社のサービスや商品を誇りに思う」と感じられることが、長期的な成長の基盤になるからです。会社への帰属意識が高まれば、離職率の低下や生産性の向上といった具体的な成果にも繋がります。
また、社内に築かれた自社ブランドへの共感は、顧客や市場など外部に向けたブランドの発信(アウターブランディング)にも大きな影響を及ぼします。
社内で価値観が共有されていなければ、外に向けたブランドの発信にも一貫性が生まれません。企業の持続的な成長を実現するためには、インナーとアウターの両面をバランスよく進めることが欠かせないのです。
インナーブランディング | アウターブランディング | |
目的 | 従業員に企業理念やビジョンを浸透させ、エンゲージメントやロイヤルティを高めることで、強い組織文化を育てる | 顧客や社会に向けてブランドを発信し、認知度や信頼を高めることで、商品の購入やサービスの利用を促し、企業価値の向上を狙う |
対象者 | 社員・役員など、組織を支える企業内部の人材 | 顧客・取引先・株主・社会全体など、企業の外部にいる幅広いステークホルダー |
主な施策 | 社内報・社内イベント・研修・1on1ミーティング・表彰制度・クレド(行動指針)の策定 | 広告・PR活動(プレスリリース)・Webサイト・SNS運用・商品やサービスのデザイン |
内容 | 経営理念・ビジョン・ミッション・バリュー・企業文化・行動指針など「社内の価値観」を明確化するもの | ブランドの世界観・商品の価値や便益・顧客への約束・企業の社会的責任(CSR)など、「社外へ伝える価値観」を表現するもの |
2.動画を活用したインナーブランディングの効果

インナーブランディングには様々な方法がありますが、なぜ今「動画」が注目されているのでしょうか。その理由は明確で、動画ならではの圧倒的な情報伝達力と、社員の感情に直接働きかける訴求力が期待できるからです。
従業員の感情に訴え、共感を生む
テキストや静止画と比べ、映像と音声、音楽やナレーションを組み合わせたストーリー性のある動画には、人の感情を揺さぶる力があります。たとえば創業者が語る企業としての想いや、プロジェクトの裏にあった苦労話、顧客からの感謝の声などを関係者のインタビュー映像や再現ドラマを交えて見せると、社員の心に強く残るのではないでしょうか。
抽象的な理念を直感的に伝えられる
「ビジョン」「ミッション」「バリュー」「パーパス」「サステナビリティ」などといった複雑で抽象的な概念は、文字だけでは伝わりにくいもの。しかしアニメーションやインフォグラフィックスなどを用いた動画で表現することで、視聴する社員が直感的に理解しやすくなります。
記憶への定着率が高くなる
視覚と聴覚の両方から情報をインプットする動画は、テキストのみの場合に比べ、記憶に残りやすいとされています。また、短時間で多くの情報を効率的に伝えられるほか、重要なメッセージを繰り返し視聴できる点も動画の持つ利点です。インナーブランディングの目的である「理念や価値観の定着」にも、大きな効果が期待できるでしょう。
場所や時間を問わず共有できる
動画ならインターネット環境さえあれば、PCやスマートフォンで気軽に視聴可能です。拠点が分散している企業でも、従業員全員に同じ品質の情報を届けられます。「いつでも」「どこでも」社員全員が情報を共有できる点は、動画の持つ大きなメリットだと言えるでしょう。
モチベーションや貢献意欲を高められる
社内イベントや株主総会で、会社の成長や社員の活躍をまとめた映像を流すことで、「自分もこの組織の一員として貢献している」という実感が生まれやすくなります。臨場感あふれる映像は組織として一体感を醸成し、従業員としてモチベーションや貢献意欲を高める効果が期待できます。
3.インナーブランディング動画の種類

一口にインナーブランディング動画と言っても、企業や目的によって内容は大きく異なるもの。エンゲージメントの低さや理念の浸透不足など、組織ごとに抱える課題は多岐にわたります。
それぞれの課題の解決に向けて、どのような動画が最適なのかをしっかり見極め、計画的に活用していくことが重要です。ここでは代表的な4種類の動画を取り上げ、それぞれの特徴を紹介します。
企業理念・ビジョン動画
企業の根幹となる理念やビジョン、ミッション、バリュー、パーパスなどを社員に伝えるための動画です。社員に企業の「原点」と「未来」の両方を示し、日々の業務の意味を再認識させるのが目的です。
経営トップが自らの言葉で語りかけるメッセージビデオや、企業の歩みを振り返るヒストリー動画、企業の目指す未来を描くビジュアルコンテンツなどがこれにあたります。
社内・周年イベント用動画
キックオフミーティングや周年記念、社内表彰など、会社としての特別なシーンで使われる動画です。イベントのオープニングを彩る映像や、1年間の業績を振り返るダイジェスト、受賞者の功績を称える紹介ムービー、新規事業のお披露目などが該当します。会場全体に一体感を生み、組織全体の士気を高める効果が期待できるでしょう。
採用・社員紹介動画
採用活動やオンボーディングの場面でも、インナーブランディング動画は効果を発揮します。新入社員や中途採用者に向けて、企業文化や働く環境、先輩社員の姿を映像で伝えることで、入社後のギャップを小さくできるからです。結果として早期離職の防止やキャリアパスへの理解を促し、社員のエンゲージメントの向上に繋がります。
具体的には、TOPへのインタビューや先輩社員の1日を追うドキュメンタリー、座談会形式の映像などがこれにあたります。経営陣や社員が、自らの言葉で自社や仕事にかける想いを語ることで、その情熱をストーリーとして伝えられるのです。
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教育・研修用動画
新入社員研修やコンプライアンス研修、新しいツールや制度の導入時の説明用などに使われる動画です。企業の理念やビジョンに紐づけて解説し、「この行動が企業価値にどう繋がるのか」を示すことで、従業員の意識とパフォーマンスの向上を促します。
新入社員向けのオリエンテーション動画や業務手順を示すマニュアル動画、ハラスメント防止などドラマ仕立ての啓発動画、情報セキュリティに関する動画などが該当するでしょう。
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4.インナーブランディング動画の費用相場

インナーブランディング動画の制作費用は、その内容やクオリティによって大きく変わります。さらに社内で内製するのか、外部の制作会社に依頼するのかによっても差が生じます。目的と予算のバランスを考え、最適な方法を選択することが重要です。
以下に大まかな制作費用の相場と、内製・外注の向き不向きを一覧にまとめました。
動画の種類 | 費用の目安 (外部の制作会社に委託する場合) | 内製化 | 補足説明 |
企業理念動画 | 50万〜100万円以上 | × | 企業理念やビジョンといった重要な概念を扱うため、高いクオリティが求められます。多くの場合、プロの制作会社に依頼するのがおすすめです。 |
社内イベント動画 | 10万〜50万円 | ◯ | 単なるアーカイブ用としての動画であれば、撮影・編集もそこまで難しくないため自社でも対応可能です。 |
社員インタビュー動画 | 20万〜100万円 | △ | 撮影自体は自社でも行えますが、編集の質で仕上がりが大きく変わります。完成度を高めるために、「撮影は内製、編集は外注」と組み合わせる方法も有効です。 |
研修動画 | 30万〜150万円 | × | 単にマニュアルを読み上げるだけでは、学習効果は期待できません。視聴者を飽きさせずに内容を理解してもらうには、演出や表現を工夫する必要があり、プロのノウハウが欠かせません。 |
「何を伝える動画か」「どの程度のクオリティを求めるか」によって、内製か外注かの判断基準は変わります。社内で扱うには難しい領域と、自社でも工夫次第で対応できる領域を見極めることが、動画の成功のカギになるでしょう。
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5.動画以外に実践したいインナーブランディング施策とは?

動画はインナーブランディングを強化するのに非常に有効なツールですが、それだけでは十分ではありません。他の施策と組み合わせてこそ、効果が最大化されると言えるでしょう。
ここでは動画以外の代表的な施策を紹介します。これらを動画と連動させることで、より多角的で効果的なアプローチが可能になるのです。
クレド(Credo)の策定
「クレド」とはラテン語で「信条」「志」「約束」などを意味する言葉で、企業が大切にする理念や価値観、従業員の行動指針を簡潔にまとめたものです。
言葉として伝えるだけではなく、日常的に手に取れるカードや小冊子などの「もの」として配布すれば、社員が迷ったときの「拠り所」として機能します。物理的に「常に目に見える形」にしておくことが、組織全体の一貫した行動を促すのです。
社内報
最近では発行する企業もかなり少なくなってきてはいますが、伝統的な社内メディアである社内報も依然として有効です。経営層からのメッセージや最新ニュース、社員紹介などを定期的に発信することで、従業員と会社の方向性を共有し、一体感を育めます。
近年は社内報のWeb化も進み、動画コンテンツを埋め込むなど連携が容易になっています。文字・写真・動画を組み合わせて発信すれば、より多くの社員に届きやすいのではないでしょうか。
社内SNSやコミュニケーションツール
従業員同士が気軽にコミュニケーションを取れる場を整えることは、組織の活性化に直結します。部門を超えた交流が活性化され、情報共有のスピードも上がります。
最近では社内チャットなどのコミュニケーションツールを導入する企業が増えており、報告・連絡の迅速化に加え、アイデアのブラッシュアップやプロジェクトの進捗状況の共有も容易になりました。こうした仕組みは、円滑なコミュニケーションを実現する有効な基盤となるでしょう。
社内イベントの活性化
全社総会のような公式イベントから、部活動やサークル、ボランティアまで、社員同士のリアルな交流は社内の一体感の醸成に繋がります。また、ワークショップやセミナーなど、日々の業務に直結するような社内行事も、社員のモチベーションを引き上げる効果が期待できます。
定期的な1on1ミーティングやフィードバック
上司と部下、先輩と後輩が定期的に対話できる機会を設けることは、社員一人ひとりの課題や不安を拾い上げる場として重要です。それぞれの目標やキャリアの方向性を確認し、会社のビジョンとすり合わせることで、エンゲージメントが高まります。
退職理由の多くは人間関係や業務内容、待遇面にあると言われますが、こうした取り組みは離職を未然に防ぐことにも繋がるでしょう。
まとめ:組織をひとつに導くインナーブランディング動画
ここまで、インナーブランディング動画が組織にどのような影響を与え、どのような効果を発揮するのかを見てきました。
企業が組織として強く成長していくためには、インナーブランディングは欠かすことのできない取り組みです。ただし、その成果は一朝一夕で表れるものではなく、継続的に積み重ねていく姿勢が求められます。
インナーブランディングを推進する上で、動画は非常に有効な手段です。動画を中心に据えつつ、他の施策も組み合わせて実行することで、従業員の心を動かし、共感を呼び起こし、組織全体をひとつの方向へと導くことができるでしょう。
インナーブランディングは企業の未来を形づくる重要な投資です。社内向けに新たな施策を検討しているものの、「何から手をつければ良いかわからない」「自社に合ったインナーブランディングが見つからない」とお悩みの方は、まずは動画の活用から一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。従業員のエンゲージメントを高め、会社の未来を大きく変えるきっかけになるかもしれません。
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